声かけのポイント

1.ホームの端で線路の方向に歩いています

 ポイント1)

「盲導犬の人!」とか「白杖(はくじょうor白い杖)の人!」など、誰に向かって言っているのか、はっきりわかるように声をかけましょう。ただ「危ない」と言われても、自分に言われているとは思わないからです。「緑のジャケットの人!!」とか「赤いワンピースの人!!」など、わかりさえすればなんでもかまいません。

 

ポイント2)

「止まって!」と声をかけて下さい。「下がって」と言われても、ホームの端で、左右の関係を勘違いしている場合、逆に落ちてしまうことも考えられます。

駅のホームで、あと2~3歩進んだらホームから落ちそうな、盲導犬を連れた男性の姿。その男性に向かって、女性が「盲導犬の人、とまって!あぶない!」と声をかけているイラストです。その下には「危険を感じたら、迷わず呼びかけて下さい」と書かれています。

2.緊急時は腕や肩をつかんででも止めて!

ポイント1)

命の危険がある緊急の時は、ためらわずに腕や肩をつかんででも止めてください。実際、そのおかげでホームから落ちずにすんだという人は多いのです。

 

ポイント2)

ただし、緊急でない時には、いきなり腕や肩をつかんだり、体にさわらないようにお願いします。驚かせたり、怖がらせたりして、かえって迷惑になってしまいますので。

ホームで落ちかけている(という想定の)白杖を持った女性の右手を、男性がつかみ「とまって!あぶない!」と言っています。その下に「事故になる直前の緊急時のみ、腕をつかんでもかまいません」と書いてあります。

3.「何かお手伝いしましょうか?」を基本に。

 

「お困りですか?」と聞かれると、道に迷ったりしていない限りは「いえ、大丈夫です」と答えるものです。「どこに行きますか?」と聞かれるのも、あまりいい気持ちはしません。

 

「何かお手伝いしましょうか」であれば、「じゃあお願いします」あるいは「今は大丈夫です」など、コミュニケーションがとりやすいものです。

白杖で歩いている女性に、男性が斜め後ろから「何かお手伝いしましょうか?」と声をかけています。「命の危険がある時以外は、何かお手伝いしましょうかと声をかけて下さいね。いきなり腕や杖をつかまないようにお願いします」と説明が書かれています。

「サポートしましょうか?」という声かけも、柔らかくて悪くないですね。

「結構です」と断られる場合も少なくはないと思いますが、「それならよかった」という、気軽な気持ちで声をかけることが大切です。

申し出を断られたら、少し距離をおいて見守って下さい。見守るのも、とても大切な配慮です。

イラスト:小針 彩